発売からほぼ2週間、ようやく一昨日完全終幕。それでも「百鬼夜行」が難いです(六回やり直して漸くクリア)。
ドモ、いちおう妖刀的挿話(『土佐遺聞録』)はあるものの、出るとは踏んでいなかった「陸奥守吉行」登場に、龍馬効果とニヤニヤしました松裕堂です。強(こわ)き刀は幾本あれど、スロット一本無駄にして、守り刀と(大太刀だけど)自己主張。
それでは以前書き込みましたとおり、気が向きましたので物語につき雑感なんぞ書きます。以下にはネタバレ、さらに好み・嗜好に由来する個人的感想もありますんで、割り切れる方のみドウゾお読みすてを。
まず、EDは鬼助・百姫あわせて六つ。わたしの嗜好ではマルチエンディングがあわないことを今回再認識いたしました。
当然「結末が多ければ、そのぶん楽しみも増えていいじゃん」とおっしゃる方もいるでしょうけど、私としては余韻・余情の散漫化をまねいてどうにも好きになれんのです。
結末までの経過を楽しめるという点で、複数経路(複数主人公)制は歓迎なんですけど、本件のように「1〜2回べつべつのEDを見たあと、さらに太刀を集めて究極ED」っていう流れには、余情の散漫化とややストーリー性稀薄の作業感を感じなくもないです。
ただ所詮マルチエンディングは好みの問題なので、「こういう結末もありえました。好悪や取捨は御自身でどうぞ」っていう姿勢も当然ながらわかりますんで許容内。好みかどうかであればあいませんけどね。
またエンディングの内容についていうと、初回EDでは親玉撃破後の締めくくりに正直口が開きました(笑)。「神祇・修験・仏・魑魅と、せっかくの習合世界をフイにして仏教説話で締めますか」と変にガッカリしたのです。
ゆえに初回EDは救いこそあれど見方によってはバッドエンドにも近いので、私的には「鬼助第2EDこそ本作真のED」と好悪を取捨し、脳内補完しときます。
ついで登場人物につき所感やら把握した造形やら数行ほどテキトーに雑記。
●鬼助:想いを忍べぬ恋盲忍者。絵よりグラフィックのほうが顔だち険しい主人公。初見はクールに見えたものの、普通にかなり熱いヤツです。自己の信念にたいしては至極忠実なようで、その線でかなり義理がたい性格、ゆえに行きがかりで面倒を背負い込むタイプ。瀕死からの再生をへて神力を付与されるあたりはオホアナムチあたりを意識してるのだろうか。第1EDを傍からみてると気狂いすぎるのが哀れです。
●陣九朗:劇中では「悪人だけど良いところもある」的キャラクター描写。とはいえ他人を不幸に巻きこんだり、私欲のために他者をアッサリ斬り殺すあたり、総じてみたら悪人です。鬼助第2EDでは不自然なくらいに唐突に野性(?)に目覚めて登場す。おそらく某ゲーブルさんよろしく「生きていちゃいけないやつ」のような気がします。百姫陣九朗第3EDは「正に外道」の所行かと思う。背筋が寒々いたしました。
●百姫:薄幸の姫君その二。ほぼ外因のためにコレだけ不幸に巻きこまれ、背負いこむキャラクターも珍しい。弱音もはくが、芯のつよさもあるだけに、余計健気にみえてきます。百姫陣九郎第1〜3EDではドレを取っても不幸な気がするのはオレだけか?
●虎姫:薄幸の姫君その一。凛とした性格の大和撫子兼巫女、下手すると百姫よりも個性の立ってる女性キャラ。仇討ちに執心してるハズなのに、阿弥陀に見込まれるのは巫女ゆえの特権でしょうか。いわゆる四向四果にいう「不還」の果。武人としては猪突にすぎて見てらんないです。
●雪之丞:江戸柳生家のはずなのに何故だか「永則」を所持してる人。職務には忠実な幕府の犬。幕臣としては兎も角、私人としては情けを解する部分もあるようだ。敵対場面の多いせいか、いささか割をくらっている観がある。百姫陣九朗第3EDでは見てるコッチが不憫になりました。
●小夜:前半から中盤にかけて登場し、撃破であっさり退場するせいか、事前情報に比べてやけに影のうすいキャラクター。百姫陣九朗篇で最終親玉をみかけたときには「裏で使役でもしてんのか?」と変に勘ぐったのは内緒。個人的な印象は入手太刀「小烏丸」の方がつよいです。寛政年間まで伊勢氏に太刀は返還しておきましょう。
●弓弦葉:ユヅルハの常緑性を象徴するように常に態度は平静な尾隠しの狐。いにしへにこふる狐なのか三条宗近(謡曲「小鍛冶」)の故事にしたがい、村正の大願成就を助力中。鬼助第1EDを見るかぎり「異類報恩譚」をふまえつつ、なかなか面倒見は良いらしい。
●紺菊:陣九朗になぜか献身的なまでに奉仕する尾出しの狐。「信田妻」よろしく何か陣九朗に恩義でもあるのか、『日本霊異記』よろしくただ気に入っただけなのかは良くわからない。飯綱陣九朗は飯綱使いの家系なんです、とかいう設定でもあるのかは知らん。百姫陣九朗第3EDでは雪之丞陣九朗の妾くらいになってそうな気がする。
以上、我ながらまとまりのないのはご愛嬌ですが、結論として本作の世界観は当方の嗜好・趣味とも合致して、感情移入し遊ぶことができました。
ゲーム進行の基本的な流れ(キャラクターの会話→目的地へ道中移動→キャラクターの会話→決戦)には「時おり変化をつけた方がいいのでは?」とか、「せっかく刀が沢山あるのに下位互換な太刀が多いのはもったいない」とか、「第1ED後の諸国移動手段くらいは何とかして欲しい」とか、「周回要素が欲しかった」とか欲や希望を言ったらまだまたキリもありませんが、総じていえば大変充実した時間でしたよ。商業的に成功し、和風な世界観でまた何か作品が出してくれるのであれば、また間違いなく買っちゃいます。
最近、任天堂が据え置き派・パッケージソフト派に構ってくれない(Wiiであそぶシリーズは大抵GC版もってる)ので「うめぇ、うめぇ」と本作を平らげました。誠にごちそうさまです。
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