なにげに『万葉集』だけの問題じゃないなと
10.12記【万葉仮名記した最古の木簡、難波宮跡で出土】YOMIURI ONLINE
ドモ、なにげに見出しを読むなり「(和歌ないし国語史においては)記念すべきの発見じゃね?」とか喜んじゃった松裕堂です。
記事によると、くだんの木簡の年代は640年〜650年と推定されているそうですが、これは舒明・皇極・孝徳の三天皇期にあたるわけで、それってつまり『万葉集』でいうところの万葉歌第一期に該当し、”和歌が文字として確かにのこる”最古級の断簡ってことになりますね。
無論それだけでも充分に価値のあることですが、さらに記事によると木簡は”非略体歌”で書記されているようで、これまで最古とされてきた徳島県観音寺遺跡から出土した木簡(これも非略体歌、推定年代は七世紀後半、万葉集では第二期に該当)とをあわせて、”日本語表記の発展経緯”という問題に、また一波乱ありそうなヨカン。
これまでは柿本人麻呂(万葉集第二期の代表歌人)が、略体歌から非略体歌へと歌の表記を変化させた事実をふまえ、日本語表記の発展経緯もその視点から考察されるむきが強かったわけですが、今回の発見ではその前後関係がやや問題になりそうな雰囲気。
もっとも、今回の発見があくまでも”断簡”である以上、和歌全体の詞章が見通せないという点で、一見非略体歌であるにしてもその構成が音仮名のみによる表記だったのか、あくまでも音仮名を主体する表記(一部に訓読を交えた表記法)であったのかまでは解りませんね。
個人的には今回の発見をうけて「記紀に表記される歌謡の形式(音仮名のみによる表記)こそ、歌の日本語表記という問題において、最初期の形式だったんじゃないのかな」と漠然と思ったりする今日このごろです。とりあえず、太安万侶ないしは稗田阿礼らによる”意識的反映”なんじゃないかと”妄想”す。
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